睡眠について調べてみました。高齢者の睡眠も重要です!
寝る事で悩んでませんか?健康に大きな影響のある睡眠を調査してみました。
日本人の睡眠の状態はこんな事になっていました!
日本人、特に子供たちや就労者の睡眠時間は世界で最も短いと言われています。
我々日本人の睡眠はこれで良いのでしょうか?
睡眠時間の比較
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神生理部 三島 和夫 資料より引用
但し、長時間眠れれば良いという訳ではありません。
質の悪い睡眠は生活習慣病の罹患リスクを高め、かつ症状を悪化させることが分かっています。
下記に掲載のデータは睡眠が健康に大きな障害をもたらす原因となる事が解ってきます。
成人病予防や認知症予防にも重要な一因となる睡眠を調べてみました。
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神生理部 三島 和夫 資料より引用
十分な睡眠と適切な睡眠がなされないと、睡眠障害と言う病が発症します。
いろんな病の現況にもなりうる睡眠障害にならない為にはどうすれば良いのでしょう?
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神生理部 三島 和夫 資料より引用
21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)では「栄養・食生活の管理」「身体活動・運動」「禁煙・節酒」などと並んで「十分な睡眠の確保」に取り組んできました。不規則な食事・運動不足・ニコチン・アルコール過飲によって睡眠状態は悪化しますので、これら生活習慣を改善することは良質な睡眠を保つことにもつながります。
独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神生理部 三島 和夫 資料より引用
こういった資料を検索してみて、睡眠の重要性が再認識する機会となります。
合せて生活習慣が睡眠に大きな役割をしていることが分かります。
大きな役割をしているのが「食習慣」「運動習慣」で「睡眠習慣」に大きく関与しています。
青年・壮年期の「食習慣」から、喫煙と飲酒に関しては、禁煙と適量の飲酒を推奨しています。研究者らは、高血糖と関連する糖尿病や心臓病などの「生活習慣病」リスクを避けるためには、十分な睡眠をとり、体重、飲酒、喫煙を控えめにすることを勧めている。睡眠障害が生活習慣病の罹患リスクを高め症状を悪化させることや、その発症メカニズムが明らかになりつつあります。
例えば睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは、夜間の頻回の呼吸停止によって「低酸素血症と交感神経の緊張(血管収縮)」「酸化ストレスや炎症」「代謝異常(レフチン抵抗性・インスリン抵抗性)」などの生活習慣病の準備状態が進み、その結果として5~10年後には高血圧・心不全・虚血性心疾患・脳血管障害などに罹りやすくなります。
寝る事が、生活に大きな影響を及ぼしていて、健康にこんなに大きく関与していることが分かりました。
ではどうすれば良い睡眠がとれるようになるの?
1.寝具の重要性
2.睡眠状況の把握(無呼吸症候群など)
3.睡眠に関する習慣を守る(入浴、入眠時間など)
4.ストレスや生活を改善する(仕事や人間関係など)
5.禁煙や飲酒を改善する(飲みすぎないなど)
出来る事から実行してみよう!大事ですよ。
寝具について調べてみました。
快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係
睡眠をとりまく環境を整えることは快眠のための必須条件です。寝床内環境をつくる寝具選びは、よく眠るために重要なポイントとなります。首や肩に無理のない枕・適度な硬さのベッドマットや敷き布団・フィット感のある掛け布団といったように、体への負担が少ない寝姿勢(寝相)を保つことができ、保温性と吸湿性・放湿性が良い寝具を選ぶとよいでしょう。
快眠のために重要になるのが、睡眠をとりまく環境です。よい眠りを得られるかどうかには、体や心の状態が大きく作用することはもちろんですが、寝床内環境をつくる寝具(枕・ベッドマット・布団)や寝室の温度/湿度・音・光、などの寝室環境を整えることで、寝つきが悪い、夜間によく目が覚めるといった不眠などが改善される方も多いと思われます。ここでは主に快眠のために重要な寝床内環境をつくる「寝具」と「寝相・寝返り」についてお伝えします。
よく眠るために必要な寝具の条件
寝具には寝ているときの保温と良い寝相、つまり立ち姿勢に近く体への負担が少ない姿勢、を保つというふたつの大きな役割があります。私たちの体は体内時計の働きから眠ると体温が下がりますが、これは深い眠りを保つために体内から熱を出すためで発汗がおこっています。寝具はこの点を考え、吸湿性・放湿性が良く、保温性のよいことが第一条件になります。
とくに冬場の寒い季節は寝床内環境が重要になります。冬は予め毛布などで寝具内を温めておくと寝つきが良くなります。寝具が冷えていると、体温の放熱を抑えるために不自然な寝相になることがあります。寒さが厳しいときには、湯たんぽや電気毛布などで就寝前にあらかじめ寝床内を暖めておくと、眠りにつきやすくなります。個人差や季節によっても異なりますが、寝床内の温度は33℃、湿度は50%の状態が最適とされます。
- 快眠できる「枕」の高さとは
朝目覚めたときに首や肩がこっていたら、それは枕が合っていないせいかもしれません。枕の役割はベッドマットや敷き布団と後頭部から首にかけてのすき間を埋め、立ち姿勢に近い自然な体勢を保つことにあります。このすき間は個人差が大きくそれに適した枕も人それぞれに異なるので、自分の体型にあった枕の高さを知り、安定感のあるものを選ぶとよいでしょう。
具体的にはベッドマットや敷き布団と首の角度が約5度になるのが理想的といわれています。頸部のすき間の深さは人によって異なりますが(一般に1-6cm)、この深さに合った高さの枕を選ぶと首や肩への負担が少なく眠りやすいといわれています。頸部のすき間の深さに合わない枕(高すぎる又は低すぎる枕)を選ぶと、首や肩・胸の筋肉に負担がかかり、呼吸がしにくく寝心地がわるくなります。呼吸がしやすく、頭部をきちんと支えてくれるだけの弾性があって、発汗に備え吸湿性・放湿性のよい素材を選ぶことが大事です。枕は寝返りをして横向きになった場合も考える必要があります。肩先から側頭部全体を支えるだけの奥行きが必要です。
- 「ベッドマット・敷き布団」は適度に硬い方がよい
私たちの姿勢は、後頭部から首・胸にかけてと胸から腰にかけて、背骨が2つのS字カーブを描くようになっています。自然な立ち姿勢のときの腰部S字カーブのすき間は4-6cmですが、寝た姿勢でいちばん体への負担が少ないのは、すき間が2~3cmのときです。
ベッドマットや敷き布団が柔らかすぎる場合には、腰部と胸部が深く沈みこんでS字カーブのすき間が大きくなり、眠りにくいだけでなく腰痛の原因にもなります。反対に硬すぎると骨があたり痛みを生じる、血流が妨げられるなど熟睡できなくなります。したがってベッドマットや敷き布団には適度な硬さが必要であることがいえます。2つのS字カーブをバランス良く支えられる、自分にとって楽で快適な寝相を保ちやすいものが良いといえます。
- 「掛け布団」は保温性、吸・放湿性とともにフィット感が必要
睡眠中の私たちの体からは熱が奪われやすいため、過剰な放熱による低体温を防ぐこと、さらに寝ている間にかく汗を吸収して透過させる吸湿性・放湿性があることも掛け布団に必要な条件となります。また睡眠中の寝返りをしやすいように、軽くて体にフィット感のあるものがよいでしょう。
寝具と寝相、寝返りの関係
寝相は上向きで寝ているときの方が、体に余分な力が入らず最もリラックスした状態になります。そのため上向きに寝ている時間が多いことは、寝心地の良さをあらわしているとされています。ところで私たちは床にはいった時には上向きで寝ていても、眠りに入ったあと、いつのまにか左や右、ときにはうつぶせになっています(寝返り)。
寝返りは、睡眠中に同じ体の部位が圧迫され続けることで、その部位の血液循環が滞ることを防ぎ、体の負担を和らげるために生理的におこなわれる体の動きなのです。そのほか寝返りには体温を調節する・寝床内の温度を保つ・熱や水分の発散を調節するといったはたらきがあります。快適な寝相で眠っていれば寝返りの回数も少なくてすみますが、体が沈みこんでしまうような柔らかすぎる布団や、骨などを強く圧迫するような硬すぎる布団では、体の負担を減らすために寝返りの回数も多くなってしまいます。
厚生労働省サイトより引用:独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 有竹 清夏
厚労省の睡眠に関する情報でも寝具の重要性も提言されています。
夕食後2時間以内の就寝が週3回以上あることは、2年後のHbA1cの値に有意な影響を与えないことが示唆された。一方で、むしろ体重(BMI)、血圧、血中中性脂肪、身体活動レベル、喫煙および飲酒といった因子の方がHbA1cレベルの変化とより強く関連しているようだったとのことだ。
厚労省e-ヘルスネットより引用
「運動習慣」は毎日の有酸素運動(散歩や自転車等)をクセづける事で、高齢者になった時の生活習慣に大きな役割を果たします。(習慣づける)
若いころから習慣づける事で、高齢者になった時に、つらい思いをするリスクが少なくなりますよ。
睡眠状況の把握はどうすれば良いの?
睡眠時の状況は専門医でないとなかなか難しいですが、簡単に自宅で睡眠中の状況を簡易に調べる器具もあります。自分の健康状況により始められるのも良いんではないでしょうか?
睡眠に関する習慣を守る(入浴、入眠時間など)
1.入浴は、睡眠の質を改善するために、深部体温を冷却するための入浴の最適なタイミングは、就寝の約90分前であることを発見した。
- 音による深い睡眠の強化と記憶は有意に関連することが明らかになった。
3.食後の入眠時間(依然は食後二時間後)はあまり気にしなくてよいという研究結果が出ている。
ストレスや生活を改善する(仕事や人間関係など)
現代社会でストレスを受けずに生活することはほぼ不可能ではないでしょうか?
ストレスを軽減する趣味や環境を自分で探し、少しでもその時間を有効に活用する事でストレスを軽減する努力も必要と思います。
禁煙や飲酒を改善する(飲みすぎないなど)
禁煙に関しては、現代社会ではこれを強力に進めています。禁煙場所が増え、法的にも受動喫煙の重要性から各地で禁煙エリアの条例が増えております。
禁煙グッズも沢山出来てはいますが、なかなか禁煙できない方が多いのも事実です。
喫煙がもたらす弊害も睡眠に関わらず、いろんな事案が明白になって来ている中、禁煙の努力は私たちに課せられた課題だと思われます。
飲酒に関しては、適量飲酒は健康にも良い影響があるとの研究結果もあります。
あくまでも自分の適量を自覚して、二日酔いになるような飲酒は控えましょう。
睡眠に関わる病気他とはどんな物があるの?
アデノイド / Adenoid:小児の鼻咽腔にある、咽頭扁桃として知られる組織が肥大したもの。
いびき / snoring:睡眠中に鼻や喉などが狭まるため、呼吸に伴って出る音。
過覚醒 / 覚醒亢進:覚醒水準が亢進すること。強いストレスなどを受けたときにみられる。
過眠:夜間十分な睡眠をとっているはずなのに、日中に目覚めていられないような病的な眠気がみられること。
概日リズム睡眠障害:体内時計の周期を外界の24時間周期に適切に同調させることができないために生じる睡眠の障害。
交代勤務睡眠障害:交代勤務のために睡眠時間帯が頻繁に変化することにより、睡眠をはじめ精神・身体機能の障害がもたらされる症状。
周期性四肢運動障害:睡眠中に四肢の異常運動が生じて睡眠が妨げられる病気。
時差症候群:4~5時間以上時差のある地域へ高速移動することにより、体内時計と外界の明暗周期がずれてしまうために起こる。
睡眠障害:睡眠に関連した多種多様な病気の総称。大きく分類すると、不眠症・過眠症・睡眠時随伴症がある。
睡眠時随伴症:睡眠中におきるねぼけ行動の総称。
睡眠時無呼吸症候群:眠り出すと呼吸が止まってしまうため、過眠や高血圧などを引き起こす病気。
睡眠相後退(前進)症候群:睡眠相後退症候群は入眠困難と覚醒困難が慢性的に持続し、睡眠相前進症候群は夕方の眠気や早朝覚醒を呈する。
睡眠不足症候群:慢性の睡眠不足のため、日中に過眠が出現する状態。
ナルコレプシー:ヒポクレチン(オレキシン)を作り出す神経細胞が働かなくなるためにおこる過眠症。
認知症:記憶障害など脳の認知機能障害により、日常生活に支障をきたすようになる疾患。アルコール多飲により認知症になりやすくなる。
非24時間睡眠覚醒症候群:一定の時刻に入眠し起床することが著しく困難であり、睡眠の時間帯が毎日30~60分ずつ遅れていく症状。
不眠症:寝つきが悪い・何度も目がさめる・眠りが浅いといった症状が慢性化している状態。
レストレスレッグス症候群 / むずむず脚症候群:夜になると出現する下肢を中心とした異常感覚により不眠、過眠を引き起こす病気
レム睡眠行動障害:睡眠中に夢体験と同じ行動をとってしまう病気。
厚労省e-ヘルスネットで詳細を検索してみましょう。下記URLから確認できます。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
高齢者の睡眠は改善は?
男女ともより良好な睡眠状態に関連する身体活動水準は, 歩数>7,000-8,000 歩/日かつ/または中強度活動時間>20 分/日であった。
この関係は中強度活動と歩数の相互関連性があるほど良好な睡眠状態であることが示され、単純に歩数・中強度活動時間のみではなく、適切な活動の量と質の組み合わせが重要であると考えられる。【理学療法学研究としての意義】
高齢者の方の早朝覚醒それ自体は病気ではありません。眠気が出たら床につき、朝方に目が覚めて二度寝ができないようであれば床から出て朝の時間を有意義に使いましょう。もう一つの特徴は睡眠が浅くなることです。睡眠脳波を調べてみると、深いノンレム睡眠が減って浅いノンレム睡眠が増えるようになります。そのため尿意やちょっとした物音などでも何度も目が覚めてしまうようになります
年齢を重ねるごとに実際に眠れる時間は短くなります。若い頃の睡眠時間を望むのは無い物ねだりと言えましょう。
高齢者ほど寝床に入っている時間が長いことが分かっています【図3】。睡眠時間が短くなるのに寝床にいる時間が長くなる…。結果として眠れぬままに寝床でうつらうつらしている時間が増えて睡眠の満足度も低下してしまいます。
高齢者では退職・死別・独居などの心理的なストレスに加えて、不活発でメリハリのない日常生活、こころやからだの病気、その治療薬の副作用などによって、不眠症をはじめとするさまざまな睡眠障害にかかりやすくなります
認知症の方の睡眠を保つために
- 就寝環境を整える(室温・照度)
- 午前中に日光を浴びる
- 入床・覚醒時刻を規則正しく整える
- 食事時刻を規則正しく整える
- 昼寝を避ける/日中にベッドを使用しない
- 決まった時刻に身体運動する(入床前の4時間以降は避ける)
- 夕刻以降に過剰の水分を摂取しない
- アルコール・カフェイン・ニコチンの摂取を避ける
- 痛みに充分対処する(気づかれていないことも多い)
- 認知症治療薬(コリンエステラーゼ阻害剤)の午後以降の服薬を避ける
結果
睡眠は我々の日常に大きな影響のある、重要な生体リズムです。
生活習慣の中でも睡眠は重要な項目の一つであることを肝に銘じて、正しい生活習慣を心がけましょう。
健康寿命に関して連載投稿してまいりましたが、「食習慣」「運動習慣」「対人接触」「知的行動習慣」「睡眠習慣」それぞれ非常に大事なことが分かりました。
自分の将来は自分の行動が決める。健康も同じですね。毎日の生活の習慣を見直してみましょう。健康で将来を明るい人生にしましょう!
一般社団法人テラス 寺尾耕二
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